㈱レゾナック・セラミックス
(旧社名:昭和電工セラミックス)様の事例
NLS社と二人三脚でこれまでも、これからも。
社会全体のデジタル化が急速に進む中、塩尻市に本社を置く昭和電工セラミックス(株)もさまざまな場面でIT化の必要性を感じていた。はじまりは2017年、工場の入退場管理システム導入の検討からだった。たまたま人的なつながりのあった松本市のネクストリンクス(以下NLS社)に相談したところ、すぐに実現の可能性が見えたため、さっそく開発に着手。広大な工場敷地内で火災や事故が発生した際にも迅速な解決につなげられるこの管理システム導入がきっかけとなり、同社はNLS社とともに社内のデジタル化へのあゆみを進めていった。
2020年には、組織変更やグループ全体に高まってきたDX化の機運が追い風となり、同社のデジタル化は一気に加速した。次に取り組んだのは、事業所の重点課題となっていた「従業員一人あたりの生産性を高める」こと。
NLS社に相談すると、業務効率化手段の一つとして「RPA(Robotic Process Automation)導入」が提案された。
RPAは、人間が行っていた単純作業をコンピュータ内のロボットに記憶させ、自動的に処理させるシステムだ。
手はじめに、受注情報の管理業務にRPAを導入することに。それまで同社の受注管理業務は、客先からファクシミリで送られてきた発注書(月に2000件!)を見ながら、社員が日々データを手入力するという手間のかかる作業であった。
そこでまず、取引先各社にエクセルデータでの送信変更へと協力を仰いだ。
時代の追い風もあって思いのほか各社からすんなりと承諾をいただき、デジタル化への移行が一歩進んだ。そして、既存システムへの入力を代替するRPAを稼働させることで、大幅に労働時間削減に成功したのだ。
同社の工場内には内線電話が60回線あったが、経年による更新作業に多大なコストがかかり、そこにコロナ禍が追い打ちをかけたため、新たな展開を迫られていた。そこでNLS社が提案したのは、社員1人に1台支給されたスマートフォンを活用した、内線電話のクラウド化。
これにより、社員は外出先や在宅勤務中でも自在に社内外に連絡できるようになったほか、社内専用アプリの導入で、さまざまな報告や申請書類などもスマホで完結できるようになり、事務手続きの簡素化が格段に進んだ。
2021年には、さらなる業務効率化をはかるため、社内に業務システムの専門チームが結成された。先鞭をつけた受注管理のRPAが実際に稼働する様子を動画にして公開し、導入したい案件を募集したところ、社員から次々に提案が寄せられた。経理部門からは損益報告書の作成、製造部門からは日々の日報作成など、自分たちのルーチン業務を自動化できたら―という効率化に対する前向きな提案ばかりだった。
支援開始から1年ほどで、20件ものRPAが稼働し、今や月に125時間もの労働時間が削減されているという。
RPAによって人的作業が軽減され、時間が空いた社員たちだが、皆うしろを向くことなく、たとえばECサイト構築による販売チャネル拡大など、自分たちの業務分野の新たな価値創造に取り組み始めたという。
「システム開発だけでなく、従業員の育成までしてくれる。こんな会社は見たことがない」総合管理部の百瀬氏はNLS社をそう評価する。
同社の悩みどころに対し、業務課題の解決につながる一歩踏み込んだ提案ができるのも、これまで地域の製造業を中心に開発実績を積んできたNLS社ならでは。その時・その場所に合った、そしてその次を見据えてポイントを突いた提案力が強みだ。それに加え、何でも相談しやすい担当営業の気さくな人柄、技術担当者の迅速な対応―。システムチームのリーダーである塩原氏は、昭和電工の本部がある東京にもベンダーはあるものの、NLS社に絶大な信頼を寄せている。
「不具合があればすぐに駆け付けてくれるフットワークの軽さも本当にありがたい」NLS社は「頼れる地場のベンダー」としてその存在価値を発揮している。
昭和電工グループ全社の「革新的技術発表会」でIT部門の優秀賞を受賞するなど、今やグループの中でも一目置かれる存在となった昭和電工セラミックス。来期から5年にわたる中長期計画として、塩尻、富山、横浜の3工場のDXロードマップを策定した。
RPAの横展開による業務の効率化やAIを活用した各拠点業務の平準化、さらなる業務の効率化を目指す。
「これからもNLS社と二人三脚で、さらにDXを推進していきたい」 NLS社に厚い信頼を寄せながら、同社DX化の勢いは止まらない。
昭和60年設立。昭和電工(株)のグループ会社として、研削材や耐火材を主力とした製品を製造。
鉄鋼・自動車・機械加工・エレクトロニクス・生活環境関連など幅広い分野にセラミックス製品を提供しており、焼成技術で生産する研削材製品には、世界トップシェアを誇るものも。
現在は、塩尻・富山・横浜の3拠点で事業を展開し、卓越した研究開発力と数々の特徴ある製品で、昭和電工グループにおけるセラミックス事業の中核を担う。
◆本社・塩尻工場
〒399-6461 長野県塩尻市大字宗賀1
◆同社ホームページ
https://www.sdk.co.jp/ceramics/